那緒乃サマよりいただいた朔哉


+++ 那緒乃優鈴 サマ +++

三連荘でステキな絵、第三弾です。
朔哉と草原と青空。絵になりますねぇ(はい、そこツッコミ無用)。
ホント、見惚れてしまいました。
ありがとうございます!

というわけで、朔哉が草原におります↓。



『 草原にて 』

今年もまた、最果ての地に夏が来た。
朔哉は、どさり、と腰を下して、大きく息を吸う。
生命の香りがする、と思う。
刹那の間であるからこそ、より一層、その香りは高いのだろう。
見渡す限りに、みなぎる生命たち。
見上げれば、風が走り行く青い空。
この国で、最も美しい場所は夏のこの場所ではないか。
血で汚さねばならぬとは、なんとバカらしいことだろう?
風と共にある彼らにこそこの場は似合う。
この星が、宇宙が生み出した『地球』であったのならば、とうに馬首を返している。
でも、そうは出来ない。
この星は、人が造り上げた惑星だから。
彼らが祀るモノの中に、過ぎたる科学でもって造り上げたモノが混じっているから。
だから、このまま放っておく訳にはいかない。
ったく、と軽く舌打ちをする。
ご先祖とやらは、大馬鹿ヤロウだ。
なぜ、彼らに高圧的な態度を取ったのか。
彼らとて、この『Aqua』に生きる人々なのに。
特別な者など、どこにもいないのに。
王は、民があって初めて王なのだ。
そんな基本さえ忘れさせたのが、『崩壊戦争』だったのだろうか?
それとも、『崩壊戦争』の前の世界がそうであったのか?
朔哉は、軽く首を横に振る。
考えても、せんないことだ。
このアファルイオの王として立った以上は、やるべきコトをしてのけるのみ。
もう一度、大きく息を吸い、香りをいっぱいに胸に満たす。
そして、勢いよく立ち上がると、歩き出す。

2005.02.25 A Midsummer Night's Labyrinth 〜at the lea〜



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