□□□ 第十二巻 □□□
 
第四十五回 『凶星西の空に輝く』

(劉)仲謀殿(孫権)もだんだんと孟徳に似てきたね。劉璋や張魯に
   告げ口するような真似するなんて、考える作戦が陰に篭ってきたよ。

(曹)あんな若造と一緒にされなくないぞ!さすがに孤立させて囲ませる
   なんてことはしたことない。
(劉)自分で追ったり囲んだりするけどな。
(曹)そんな余裕かましてていいのか?益州で味方だった張松は殺された
   し、法正も奔らざるを得なくなったんだぞ。
(劉)ともかくもフ城へ入れば落ち着けるだろう。
(曹)狙われるとわかってて鎖帷子か。でもって玄徳マジック発動で
   無血開城、と。言っておくがこれで安心するのは早いぞ。
   また、赤い星が出ているからな。
(劉)しかも、今回はきっちりと俺の運命らしいよ。
(曹)落ち着くなよ、孔明も士元もそれで緊迫感が増してるんだろうが。
   しかし、あの紫虚上人とかいうのとどんな話をしたんだか?
   戻ってきた士元がえげつないことばっかりやるから、雲長(関羽)
   たちも疑い出したぞ。
(劉)孔明が援軍を動かしてくれるなら、こちらは安泰だが。
(曹)ふん、ぬかりなく雲長を残したか。ところで、「北は曹操にあたり
   東は孫権と和す」
って?
(劉)そりゃ、孟徳と和すってのがあり得ないからじゃないかな
   (にこやか)。

(曹)(がっくりと肩を落とす)
(劉)なんだかんだで、イロイロと画策してるじゃないか。丞相府は随分と
   豪勢な建物だしね?庭園なんかついて。

(曹)魏公となったんだ、これくらいは当然だろう。
(劉)阿斗の育ちぶりがかわいらしいなぁ。
(曹)思い切り話題逸らすな。む、「字を読めるようになったと伝えてね」
   なんて、くそ、ホントにかわいいな。
(劉)美芳もオメデタみたいだしね。
(曹)ほほう、相変わらずほのぼのネタも続きそうだな。
(劉)というあたりで、続きは次回。

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第四十六回 『落鳳破に死す』

(劉)いきなり策謀で生き生きしてる孟徳の笑顔が眩しいねぇ。
(曹)玄徳のところの不穏な軍師も、ますます不穏に暗い作戦で引っ掻き
   回しまくってるようだが?己の将たちに犠牲ださせるわ、先陣
   争わせるわ、挙句、玄徳まで引っ張り出したか。
(劉)いい加減、何を考えてこんなことをしているのか、しっかりと考えを
   聞かせてもらわねば!

(曹)あっちの方が上手じゃないかな。「五年後十年後になればわかり
   ます」とさ。
(劉)孔明の言う通り、「答えになってない」。
(曹)答えどころか、激昂してるようだが?「不安になれば殿の側に寄り、
   頭を撫でてもらいながらごたくを並べるしか脳が無いのか!」とさ。
(劉)翼徳(張飛)はまだしも、子龍(趙雲)まで怒らせてしまったようだ
   な。苛立ちの理由はわからんでもないが、なにかに急かされてるよう
   なのが気になるんだが。

(曹)県令の件の時といい、なんとなく士元の酒は苦いな。
(劉)本心を隠す為、鬱憤を晴らす為、か。
(曹)己が疑われているという話を逆手に、孔明の追求もかわしたな。
(劉)空笑いだしな。
(曹)玄徳、真剣にマズイんじゃないのか?阿斗が熱出してるぞ。
(劉)孔明が戻るのを待つしかあるまい、情報を得に行ったようだから。
(曹)紫虚上人のところか?何も教えてはくれなさそうだがな。
   「大事な人の死に目にも会えぬかもしれない」だとよ。
(劉)ここでの孔明の返しが秀逸だよね。「天にも誤ることが
   ございます」
と言い切れるのは彼くらいだろう。

(曹)人形劇ではな(にやり)。なるほど、天文を志したのはただ人の
   運勢を徒に知りたかったわけでなく、故無く運命に翻弄される人々の
   苦しみを取り除く為、誤りを正す為、か……って、待て、士元も同じ
   ことを言っただと?!
(劉)運命が変えられぬなら、身代わりになる、と……
(曹)玄徳がこんなところでのたれ死ぬのも真っ平ゴメンだが、鳳雛先生が
   亡くなるのもゴメンだぞ!
(劉)多いに同意するよ、くそっ、酔ったふりで白龍を奪っていったのは
   そういうわけか!

(曹)お前の周りって、ホント出来たヤツばかりだな、おい。白龍が
   察してるじゃないか。
(劉)止めろ、止めてくれ!
(曹)「殿の凶運の全てを私に」か……
(劉)ただ、自分の夢の為だから、とは……
(曹)……というところで、続きは次回。

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第四十七回 『ホウ統の仇を討て!』

(曹)翼徳(張飛)が熱いな。
(劉)士元の敵討ちだろう?孔明は翼徳は不適当と却下したが。
(曹)と言って大人しくなる翼徳とは思えんがな。ほら、勝手に出陣
   したぞ。
(劉)軍律違反だが、それがミソらしい。
(曹)ミソ?戦いっぷりは、どうやらほぼ演義通りってところか。
(劉)悪口講座とか笑わせてもらったけど、まぁ大筋は。
(曹)ほほう、軍律違反は切りかかった翼徳を止める為のものか。
   なるほどな。そしてまた、玄徳マジック……
(劉)部下たちに降伏勧告してくれるし、至れり尽くせりだね。
(曹)結局のところ、順調ってワケか。つまらんな。
(劉)って、またなんか画策してるな。いつにもまして生き生きしてるのが
   眩しいよ。

(曹)最近、策らしい策を練って無かったんだよ。俺はのことより雲長
   (関羽)が驚きなんだが?
(劉)ああ、孔明に倣って星占いを学び始めてるとはねぇ。
(曹)星が赤いと良く無いって、ものすごい説得力だな。
(劉)翼徳の星が赤いのは酒のせいだっていう関平の言葉と同じくらい
   にな。

(曹)孔明の仕掛けた金雁橋の一件は演義よりも優雅で、そしてはしっこ
   かったな。
(劉)ああ、傘を持った女性まで連れてくとはね(笑)。馬を連れた子龍を
   行かせたのは正解だったよ。

(曹)孔明の返事から行くと、自分で手配したのでは無さそうだもんな。
   ところで、待てをかけていいか?綿竹城落城はわかった、だが?
(劉)張任だろう?
(曹)あまりにあっさりと翼徳に斬られてるのはどういうことだ?
   玄徳マジックが通じず、切れの一点張りで忠臣を貫き通した
   名将ぶりはどこへ行ったんだ?
(劉)どこへ行ったんだろうね?(遠い目)
(曹)なんか、哀れだぞ。
(劉)というところで、続きは次回。

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第四十八回 『葭萌関の決闘』

(曹)前から違和感があったことを言っていいか?異様に法正がいい人
   なんだが?確か玄徳入蜀に効があったことと、才能があったことの
   二点でどうにか生き延びてた、性格悪男だったと思ったんだが?
(劉)ああ、ほら、雲長(関羽)がまた星占いしてるよ?
(曹)誤魔化すなよ、ったく、雲長って生真面目だよな。
(劉)関平の「星を見なくても阿斗様の様子を見てれば何が起こってる
   かわかります」ってのは傑作だったな。

(曹)阿斗占いか。
(劉)ほほう、翼徳(張飛)の子供が生まれたか!
(曹)雲長が珍しくがっかりしてるな、女の子と知って。
(劉)どちらでも大事な子供に変わりないと思うけどね。
(曹)その翼徳は、馬超との対決にうきうきだな。
(劉)久しぶりに互角の相手だからな。ったく孟徳のお陰でまた厄介な
   相手だよ。

(曹)と言う割に、玄徳も対決を楽しんで眺めてないか。
(劉)なかなかに見事だからな。孟徳も好みだろ、ああいうの。
(曹)確かに、食指が動くことは否まんが。でも、孔明が来たってことは。
(劉)あれだけの逸材を殺してしまうのは惜しいからね。こちらにいただく
   よ。

(曹)命知らずの軍師にまたやられたか。
(劉)というところで、続きは次回。

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おまけ 『ことわざ三国志 三』

(劉)特別番組の第三回だ。
(曹)今回はますます名場面集という風合いだな。
(劉)紹介された故事成語は、千載一遇、隴を得て蜀を望む、危急存亡の
   秋、泣いて馬謖を切る、死せる孔明生ける仲達を走らす。で、
   千載一遇って孟徳と文若殿(荀イク)が出逢った巡り合わせのことを
   言っていたのだな。

(曹)やむを得ないとはいえ、空き箱事件かよ。
(劉)三つの日輪の夢までついて来てるしね(苦笑)。名場面としては、
   士元が俺の身代わりになっていくところだな。

(曹)ほう?じゃ、死せる〜とかは?
(劉)放送時、まだ雲長が危ないあたりだったから本編をお楽しみに、
   だそうだよ。

(曹)なるほど。
(劉)今回のポイントは、どちらかというと立間先生の解説の方じゃないか
   と思うけどね。

(曹)何故?
(劉)孟徳のことを「実際は優れた政治家であり、詩文も能くする人」と
   フォローしてたからさ。

(曹)うむ(満足気)。
(劉)と、満足気に孟徳の人形も立間先生の肩を叩いてたのが印象的だった
   よ(笑)。あと、エンディングテーマのフルコーラスもあったね。
   という楽しみ要素もありで、このシリーズはお終いだ。


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