聞き終えた光樹の顔が輝く。 「それはいい!戦に関しては、朔哉のひらめきは天才的だな」 一瞬遅れて、一樹も口を開く。 「確かに敵も度肝をぬかれるだろうが……単騎で駆けるのは誰だ?」 「決まってるだろ、一樹だよ。兵置いて将が抜けるのなんて、納得すんのお前のトコしかないじゃないか」 朔哉が、にやり、と笑って当然のことのように言う。 光樹も頷く。 「一樹の真紅の鎧は映えるからな、目立てば目立つほどイイ」 「あのなぁ、部下説得する方の身にもなれよな?ったく、で、どこから引き返すんだ」 文句を言いつつ、やる気になっている一樹に、朔哉の笑みが大きくなる。 「それを決めるのは光樹の仕事だ、後がつながらなきゃ意味がない」 言われた光樹が、おかしそうに笑う。 「敵は動揺してる、どうにでも料理できるな」
左から孫朔哉、張一樹、周光樹。
幼馴染みであり親友であり、そして信頼し合う主従であった彼らは、いつも、紫鳳城の裏庭を散歩しながら戦のこと、政治のこと等三人で相談しあっておりました。 この頃は、一樹も髪が短いし、光樹も髪が長いです。 2002.11.29 |