『 罰の選択 』 もしもこの世に「神」と呼ばれるモノが存在するとすれば。 それは、残酷でエゴイストなモノでしかない。 両親も友人も、誰もが彼女を望んでいるのに。 なぜ、彼女を奪う必要がある? なぜ、誰もが望む彼女の命を、あと三ヶ月と期限をつける? そして、僕がいるなら、持てる力の全てをかけて生き続けると言ってくれた途端に。 なぜ、僕の命を奪おうとする? こんな、理不尽な方法で。 死にたくない。 今は、まだ死ねない。 絶対に、死んではならない。 彼女が、僕を望んでいてくれる限り。 男が、尋ねる。 「本当に、死にたくないのか?」 「……まだ、死ねない」 多分それは、言葉にすらならず、微かな唇の動きだけだったろう。 だが、見上げる視線も男の腕を掴んでいるらしい自分の手も。 願いを伝えるには充分であったのに違いない。 酷薄、と形容するのが、ぴたり、とくる笑みを浮かべる。 「死なないようには、出来る。だが」 知らないままでは、フェアではない、と彼は更に続ける。 その内容に、ほとんど力の入らない瞼が、見開かれるのを感じる。 死ヌコトガ、出来ナクナッタトシテモ? 視線での問い彼は、どこか皮肉な笑みを浮かべる。 「もう、君の躰が持つ器官では命を繋ぎとめることは出来ない。では、なにが必要か?」 ……機械。それも、普通のモノではなるまい。 「そう、旧文明産物。君の命は、今現状存在するどんな方法でも奪えなくなる」 男は、全く感情のこもらない瞳で見つめる。 「それでも、君は生きることを選ぶか?」 一度は絶望した彼女に、希望を持たせたのは僕。 その僕が、こんなカタチで消えてしまったら。 彼女は、どうなってしまうのだろう? 今は、まだ、絶対に死ねない。 僕が微かに頷くのを、男は見て取ったようだ。 「そうか、なら君を生かそう」 三ヶ月が、半年となった奇跡の後。 彼女は僕に笑いかけて告げる。 「いつか、またアナタに会えるわね。遠い遠い場所だけど、ずっと待っているわ」 僕は、微笑んで頷く。 「もちろん、絶対に会いに行くよ」 彼女が望んでくれるなら。 何度でも、僕は選ぶだろう。 それが、人としての理に反する選択なのだとしても。 2004.05.22 A Midsummer Night's Labyrinth 〜Choice the punition〜 |
違うと思う…多分…
パンツ一丁で百万馬力 空も飛べるぞ科学の子 レバー二本で操縦される巨大ロボ 両腕あげて「ガオーッ」 仲間は九人で赤装束 奥歯が光れば瞬間加速 多分、違う 絶対、違う 誰か違うといってくれ!! 「それ、お前さんの衣装じゃから」(by博士) 「 ……… 」 村神 優はこの時、博士を裏切る決心をした…(わけではないと思う、多分) おしまい |