誰かの声が聞こえた。
「命を賭して、助け合うか、殺し合うか」
あまりの極端さに、思わず目を見開く。
どうして、という問いには答えは返らないままに、声は続く。
「あなた方は、そういう命運の下にあります」
出会わないという選択肢は無いのか、という問いはもう一人のモノ。
でも、やはり、答えは返らない。
「どちらになるのかは、あなた方次第です」
待ってくれ、せめて顔だけでも。
そんな望みはかなえられるはずもなく。
視界は、眩むばかりの光に包まれていく。
「何度でもあなた方は出会い、そして運命を回すでしょう」
大層な使命なんて、どっこいしょする気は無いっての。
言ってもせんないと知っていても、思わず毒づく。
逃れられぬ定めというのならば、せめて。
まだ見ぬお前と俺は、助け合うのか、殺し合うのか。
この、命を賭して。
定めは、回り行く。
2008.11.03 Sworn F 01 -They destined F.-