第二巻は、赤壁の戦いから荊州争奪戦、周瑜弔問まで。
うっかりメモを取り忘れる勢いで大好きなシーンがどどーんとある第二巻です。
周瑜ですが、頭に血が上りやすいという以外は、優秀な武将として描かれてます。曹操の使者とのやり取りなど、秀逸。
すでに曹操が蔡瑁張允を水軍都督にしているのを知り、水塞の内部まで予測してる孔明はもっとステキです。
最初に戦術を語り合って、更に危険人物と目される演出とかも面白い。
蒋幹の目前で苦肉の計とか。黄忠が棒叩きの間に周瑜の剣舞も拝めます。
ホウ統の曹操軍行きは、孔明の献策なあたりとかも興味深い演出。
その後の十万本の矢や、東南風(地元漁師に情報を得るあたりは民話ネタ)などあり、一気に荊州争奪戦へ。
荊州争奪戦はナレーションのみでさらりと流れ、周瑜も亡くなります。
で、劉孫同盟の危機と感じた孔明が弔問に行くことを決意するのですが、当然、劉備は反対します。
主公「虎口に入るようなものだ」
軍師「虎口に入らねば、荊州が救えません」
主公
「荊州を戦火にさらすとも、そちを死にには行かせん!」
(劉備、怒ったように室内へ。孔明、呼びかけながら追う)
軍師「我が君、身に余るお言葉。三顧の恩も忘れてはおりませんのに。柴桑に私が行かねば、荊州は守れません。どうかお許しを」
主公
「孔明、そなたを失えぬ」
軍師「我が君(膝をつく)、
我が君の大願を叶える為、必ず戻ってまいります」
主公「我が軍師よ!」
(二人、見詰め合う)
もう、ホントご馳走様です。ありがとうございます。
うん、こういう主従であって欲しいので、本当に嬉しいです。
ぎょ同盟主催としては、ここはイチオシとさせていただきたく。
しかし、この一連はこれだけでは終らない。
呉に乗り込んだ孔明は、弔辞を述べる許可を小喬から得ることに成功するも、諸葛瑾は病に伏せる有様。
というのも、弟を呉に留められなければ殺すと孫権に命じられていたのです。
気鬱のあまりに本当に伏せる兄。必死で孔明を説得します。
この兄の思いもとても良い!
そして、わかっていながら断る孔明も、
死しても呉には留まらぬ、ときっぱりと言い切るんです。
孔明が振り切って帰った後の瑾兄さんの、「弟め、死ぬ気だ!」の絶望的な表情がたまりません。
いいお兄さんだなぁ。
趙雲と孔明の会話もまた良いです。
危険を冒すのは、お互い様(長坂破での突破を指して)と言う孔明の覚悟にほだされ、真剣に「どうあっても守る」と誓う趙雲。
配下中では、孔明と一番信頼しあっていたのは趙雲かな、と思ってるので、とても嬉しい。
で、二巻クライマックスの弔辞。
幕裏で剣を握る兵士、一声切る号令をかけようとしてる呉の面々。
あからさまに剣を抜きかかってる周瑜息子。
読み進むにつれ、皆が号泣の渦へ巻き込まれ、剣をおさめていき、終幕。
実に、お見事。
これが全て、孔明の為に荊州を戦乱に巻き込んでもいいと言い切る劉備の為、このことが本当に好き。
字幕なので、呼びかけが聞き取れます、その弐。周瑜がハメる為にわざとらしく「諸葛先生」、劉備の「軍師」、諸葛瑾との呼び合いは、「大哥」、「二弟」。