□ 君に安らかな夜を
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確かに、ここのところのレスキューの繁忙の影響でジョンがまともに寝ていない、と告げた。
自分の言葉では、どうにも休息を取ってくれない、とも。
だが、これはどうしたことだろう?
連絡を入れて、きっかり8分後に5号に姿を現したスコットは、この繁忙期に何しに来たのかとくってかかるジョンを、苦笑気味にいなしつつ側に寄ったかと思うと、なにやら呟いた。
それは、あえて誰にも聞こえないようにだろう。
実際、EOSにも聞こえなかった。
スコットの言葉に、酷く驚いた表情を見せたジョンは、スイッチでも切れたかのように、カク、とスコットに体重を預けてしまって、そのままだ。
さすがに、看過できずにEOSの声が尖る。
「ジョンが動かない…何をした」
視線を上げ、EOSを見上げたスコットは口元に笑みを浮かべる。
「目が覚めるまでここにいるって言ったよ」
EOSに目があったなら、間違いなく見開いていただろう。
が、すぐに理解する。
疲労しきったジョンに、何が必要だったか、を。
「これからもジョンが疲れたらスコットに連絡する」
「ああ、頼むよ、EOS」
あっさりと返してから、笑みを深める。
「今回も、ありがとうな」
それこそ、肉体というものがあったのならEOSは真っ赤に頬を染め上げたに違いない。



2016.08.31

■ postscript

#リプ来たセリフでワンシーン書く という気まぐれタグにお付き合いいただいた結果。
金具さんよりEOS「ジョンが動かない…何をした」

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