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『第二の血痕』


シリーズ中の白眉でしょう。
首相自らの依頼でも、まったく物怖じなしのホームズはかっこいい!
「あの手紙が、悪意ある者の手に渡れば、戦争になるのは間違いありません」
という、せっぱ詰まった首相の台詞に、この答え。
「では、戦争の準備をなさるのですね」
おお、惚れ直してしまいます。

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なんのかんのと言いつつ、ちゃんと仕事は引き受けたホームズ。
しかし、捜査は難航。事件のことを考えながらパイプに火を入れるんですが。
ちょっとまて、そのマッチをどこに投げるんだ!
案の定、そこにあった新聞紙が燃え出して慌てて消す二人、ちょっとマヌケ(笑)。

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笑えるシーンその二は、手紙奪った犯人の家を家捜しする為に、わざとレストレードに声かけさせるとこでしょうね。
近くまで、そ〜っと寄っていって、いきなりそこを通りかかったかのごとく、背を向けて歩き出すという猿芝居(笑)。
しかも、レストレードはそれに引っ掛かる!

さらにホームズの口車に乗せられてレストレードが巡査の詰問に行ったすきに、テーブルどけて、絨毯引っぺがして例の手紙を探した後(なかった!)、元に戻して、いかにも時間を持て余しちゃったな〜みたいな顔してみせる二人が、最高におかしい!

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秀逸なのは、手紙を元に戻す手法。
原作よりも、ぐっと難関になったのを、するりとかわすホームズがかっこいいです!
原作だと、文箱はつねに机上にあるのが、ドラマでは外相が肌身はなさず持っていたので、返すチャンスは、文箱を開けて、確認してくれてる時だけ。
しかも、首相と外相の目前で、気付かれずに紛れ込ませなきゃいけない!
ホームズが手紙箱の側をするりと通りぬけた後、何気ない調子で煙草に火をつけるのがもう!

この台詞も見逃せませんね。
首相に「これには、なにか秘密があるに違いないね?」
と言われたホームズの、笑顔での答え。
「首相と同じく、私にも外交上の秘密がありますのでね」

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あとは、最後のシーンでしょう。
充分、首相たちの目の届かないとこまで来た二人が嬉しそうに顔を見合わせた後、
「やったぁ!」
と、ホームズったらバンザイで、ぴょんっ!
こんな明るいのは、全編通してこれだけですね。


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